MF技術大賞2014-2015受賞製品 紹介
2015年1月13日
MF技術大賞2014-2015は11月の選考委員会で、3製品のMF技術大賞受賞と6製品のMF技術優秀賞が決定し、表彰式が2015年1月9日午後3時から東京・芝パークホテルにて行われました。
これら受賞鍛圧機械と受賞加工製品は来る2015年7月15日~18日まで開催されるMF-Tokyo 2015(東京ビッグサイト東1~3ホール)にて、世界に誇る鍛圧塑性加工技術の最先端として披露されます(大きさによっては写真展示となることもあります)。
MF技術大賞2014-2015の受賞製品の発表について(日鍛工ニュースリリース)
MF技術大賞2014-2015受賞5製品の概要について
【MF技術大賞の紹介】
圧造機による自動車エンジン用ハウジング部品加工
受賞会社:旭サナック(株)、(株)デンソー
受賞理由:
従来、多段圧造機は全工程を一括で成形するため加工負荷が大きく大型の設備が必要であった。今回、工程毎に成形タイミングを変更し負荷の分散化することで、設備の大幅な小型化を実現し、金型交換の段取り時間も短縮した。これらの開発は、後工程に合わせて生産できる同期一貫ラインを可能とし、コストダウンに大きく寄与。
サーボプレスとインデックス装置によるキャリアカバー加工
受賞会社:(株)アマダ、アイシン・エィ・ダブリュ(株)
受賞理由:
ワークを回転させながら1カ所ずつの加工を採用することで、従来工法では4工程分の金型が必要であったものを1つの金型に集約することに成功し、必要荷重が従来の1/10となりプレス機の大幅な小型化をもたらした。サーボプレスの特長を活かしたインデックス装置と同期させながらの加工は、設備費、段取り時間等を削減。
油圧サーボ制御によるシート加工
受賞会社:川崎油工(株)、川崎重工業(株)航空宇宙カンパニー、
川崎重工業(株)システム技術開発センター、川重テクノロジー(株)
受賞理由:
航空機外板等の自由曲面を持つ薄板成形を目的とした成形解析から実成形までを一貫して行うシステム。成形プログラム作成ソフトにより、成形解析結果から最適な動作プログラムを生成し、多軸油圧サーボ+機構誤差補正による高精度NC化で理想的な姿勢制御を行い、自動での実成形を実現。従来、熟練技能を要する製品であったが、量産が可能となった。
【MF技術優秀賞の紹介】
サーボプレスによるエンジンベアリングハウジング加工
受賞会社:アイダエンジニアリング(株)、大豊工業(株)
受賞理由:
これまで切削を伴う加工工程であったが、サーボプレス機と金型開発により塑性加工での高精度な成形を実現し、切削工程等の削減によりラインは従来工法より短縮。2段階の下死点モーションの設定することで荒曲げと仕上げ曲げを1モーションで行う。
精密成型機によるパイプナットエフサス加工
受賞会社:アイダエンジニアリング(株)、(株)豊島製作所
受賞理由:
投入スラグ(加工ワーク)の最適化により、焼鈍・ショット・ボンデ処理等の中間処理を従来の工法の半分以下に削減することや、高剛性の精密プレス機の特長を活かすことで、これまで必要とした加工リードタイムを14日から3日に短縮し、ジャストインタイム生産に近づく量産化を実現。
サーボプレスによるロングソケット加工
受賞会社:コマツ産機(株)、京都機械工具(株)
受賞理由:
加工が難しい形状の材料をサーボプレス機の特長を活かし、速度コントロールで低速に抑えることで金型寿命の向上と摩擦による加工熱も低減し、製品精度も向上させ、コストダウンも実現した。
サーボプレスによるギヤシフト部品鏡面加工
受賞会社:コマツ産機(株)、(有)田村製作所
受賞理由:
サーボプレスのモーション研究から独自の加工モーションを開発し、固い材料(SCM415等)での全せん断加工を可能とすると共に、金型を工夫する事でせん断面を鏡面のような平滑な面にすることを実現した。
4軸複動サーボプレスによるダブルフランジチューブ鍛造
受賞会社:住友重機械工業(株)、(株)ヤマナカゴーキン、(株)ゴーシュー
受賞理由:
スライド、上加圧装置、下加圧装置(メイン、サブ)を持つ4軸サーボプレス機の開発による複動成形機構と分割式金型を使用した側方成形機構の組み合わせにより、従来主に総切削加工が行われていた部品の1工程成形を実現し、工程数削減の生産性向上やダイスペースの縮小化に貢献。
サーボ駆動レーザーパンチプレスによる縞鋼板加工
受賞会社:村田機械(株)、トーメックス(株)
受賞理由:
これまで人員と時間と専用工具を必要とした平面つぶし加工(ザグリ加工)をサーボ駆動レーザーパンチプレスを使用することで、加工時間を含めた大幅なコスト削減を実現した。また、安定した自動化により不良率のゼロを達成した。
【MF技術大賞2014-2015選考委員会 】
委員長
石川孝司 名古屋大学 大学院工学研究科 教授
副委員長
宗田世一 一般社団法人 日本鍛圧機械工業会 副会長 兼 技術委員会委員長 / 株式会社エイチアンドエフ 代表取締役社長
委 員
高橋 進 日本大学 生産工学部機械工学科 教授
柳本 潤 東京大学 生産技術研究所 教授
渡邉政嘉 一般社団法人 日本機械学会 イノベーションセンター センター長
井上尚行 一般社団法人 日本鍛圧機械工業会 専務理事